bunbun

AI Engineer World's Fair @ San Francisco に行ってきました

2026-07-09

はじめに

はじめまして!2025年7月よりBelongでSoftware Engineerとして開発しているbun(ブン)です。 今回はカンファレンス渡航補助プログラムを使ってアメリカはサンフランシスコで行われたAI Engineer World's Fairに参加してきました! 世界最大のテックハブ / AIハブであるサンフランシスコで行われたこのイベントのレポートを綴っていこうと思います。

AI Engineer World's Fair って?

会場エントランスのAIEロゴオブジェ

AI EngineerというAI関連のカンファレンスを世界中で主催している組織があり、彼らが行っているイベントの中で最大規模のものがこのAI Engineer World's Fairです。 イベントは2026年6月29日から7月2日までの4日間で、無料の事前オリエンテーションも含めると5日間あり、この期間の中でAIに関する様々なトピックについてのプレゼンテーションとワークショップが行われました。 例えば以下のようなトピックがありました。

  • AI Agent開発
  • 音声・リアルタイムAI
  • 生成AIメディア利活用
  • AIセキュリティ
  • ヘルスケア業界の中でのAI活用

これ以外にもトピックは多様で、全30個のトピックの中で400以上のプレゼンテーションが発表されました。

また、スポンサーも豪華で、Google DeepMind、Anthropic、OpenAIなどAI業界を牽引する企業も名を連ね、もちろん彼らの講演も多数ありました。

実際に私がイベント中に出会ったエンジニアの中には、このWorld's Fairが一番規模が大きくて、内容も最高なので毎年参加していると言っている方もいました。

イベントの雰囲気は?

スポンサーロゴが並ぶメインステージ

さすがサンフランシスコということもあり、イベント自体の注目度や熱気も高く、6,000人以上が参加。 大迫力のオープニングに始まりAI/Tech業界では誰もが名を知っている企業/エンジニアの怒涛のプレゼンテーションは見ものでした。 またネットワーキングイベントではエンジニア同士の目が合えば会話が始まるという古き良き時代のポケモンジムのような雰囲気があり、エンジニアが持つ内気なイメージを払拭するかのような熱いタイプの人も多かったです(もちろん私のように根暗なタイプも沢山いましたが...)。 プレゼン間の待ち時間にパソコン作業をしていると"What are you working on? (何やってるの?)"と声をかけられて意気投合しそのままお昼ご飯も共にする、みたいなことも珍しくなくて、自分の殻から飛び出すためのいい練習になりました。

また、プレゼンテーションやワークショップ以外にも

  • 多種多様なネットワーキングイベント
  • 楽器演奏スペース
  • ボードゲーム対戦スペース
  • 子犬との触れ合いスペース
  • 各種企業のブース(Expo)

といったスペースがあり、かなり盛り沢山の内容で飽きさせることはなかったです。

大企業からスタートアップまでブースが並ぶExpo会場

ただ、初日のイベントの運営の雰囲気はゆるく、最初の方はストレスもかなり大きかったのが正直なところです。 例えばWi-Fiのスピードがかなり遅くワークショップはQ&Aセッションになったり(ワークショップ枠で参加費を払ったのに...)、見たい発表の部屋が狭く長蛇の列ができてしまい結局他の発表を見るしかない、発表がキャンセルされてもそれが公式発表されない、ホットドッグ、コーヒー、フルーツのセットでなぜか30ドル以上する、など...

しかし、フィードバックに対応したのかWi-Fiとホットドッグの値段以外の問題は翌日にはほぼ解決しており、とりあえずshipしてアジャイルに課題に対応していく、という昨今のテック企業のスピリットを良くも悪くも感じる運営でした。 初日の運営を除いては、日本でエンジニアリング業をしているとあまり感じないタイプの強いエナジーがあり、圧倒されそうな瞬間もあり、非常に新鮮でした。

得た学びは?

学びはたくさんありました。例えば、新しいバズワードである"Software Factories"という日本だとあまり馴染みのない言葉の存在や、LinkedInが提唱する、Coding Agentに自社のコンテクストを浸透させるPlaybooksというアイデアなど、新たに得た知見は多かったです。

そんな中でも以下の3つが特に印象的でした。

1. AI Agentを自社開発するのは当たり前

正直ちょっと盛った見出しですが、それでもAI Agentを自社開発する企業は珍しくありませんでした。まだ開発に着手していなくても、自社でAgentを構築できないかと検討しているエンジニアも多く、注目度は高いです。 Claude CodeやCodexがあるからいいじゃん、と思うかもしれませんが、やはりトークン代はバカにならず、セキュリティに関しても他社に全幅の信頼を置くことはできない企業はあります。 また、自社のコンテクストをきちんと理解するようにハーネスエンジニアリングをしたい場合に自社で開発したいケースもあり得ます。 そのためかAI Agent開発に関するプレゼンは多かったです。

もちろんチャットボットをプロダクトとして自社で作る、という企業は以前から存在していますが、それだけでなく従業員の安全かつ低コストな作業のためにAgentを作るという流れがどんどん広がっていっているようです。

高いセキュリティ意識を持ちつつ、自社のコンテクストの漏れがないような開発をやっていくにはAgentを作ってみるのも手かもしれないというインサイトを得ました。

ちなみに、VercelがNext.js感覚でAgentを作れるフレームワークであるeveを発表していたのでそれについても別記事で紹介しようと思います。

2. MCP AppsはEコマースの新しいスタンダードになるかも

私自身BelongでBtoCの開発をやっているからかこのトピックは注目度が高かったです。MCP AppsというのはChatGPTやClaudeなどのAI ChatのUI上で、Webページのスニペットを表示するための仕様で、少しずつその存在が認識されはじめているようです。 例えば採用プラットフォーム大手のIndeedでは企業紹介と応募ボタンを備えたコンポーネントをAI Chat上で表示できるような仕組みをMCP Appsを使って開発しており、そのデモンストレーションも発表されていました。

これに関する発表も少なくとも3つあり、EコマースのAI利活用戦国時代を見据えてこの仕様は注目していきたいと思いました。

これについてもさらに深掘り記事を書こうと思います。

3. ネットワーキングイベントをサボるべからず

プレゼンテーションはもちろん有意義なのですが、それと同様に、もっというとさらに重要なのはネットワーキングイベントでした。 今回のプレゼンテーションの内容は正直一部YouTubeでも見られたりするのですが(特にKeynoteは全て)、現地で出会う世界中のエンジニアとの会話はインスピレーションに富んでいたし、実開発で適用できるようなアイデアなどももらえました。

サンフランシスコでは石を投げたら高確率で優秀なエンジニアに当たるので、ネットワーキングイベントでBig Techの超優秀エンジニアやスタートアップの創業者に会うことは珍しくありません。 ここでは有能さのアピール合戦はしないのが得策です(いやどこでもそうか)。 そのような方々と会話をスムーズに進めるために、自分が普段抱えている開発での課題などを質問責めするという作戦をとりましたが、これのおかげでネットワーキングイベントがかなり有意義になったなと思います。

例えば個人的にはAIが生成したPR reviewに課題感があるので「AI時代にPR reviewどうしてる?」と幾人かに聞くと、様々な回答をもらえました。

  • 複数review agentを使って一致した意見だけ採用する
  • Sonar社のGitarというreview用ツールを使う
  • そもそも1人しかいないからreviewしない
  • 色々ツールを使っているけどメンテナンスが大変で解決策が見つかっていない

などなど。また、ネットワーキングイベントで出会った方に安いタコス屋を教えてもらったし、そもそもネットワーキングイベントはご飯とドリンクが無料で出たり、行って損はなかったです。(出会った元Googleのデータエンジニアは無料のご飯とドリンクのためにネットワーキングイベントを渡り歩いていました...)

イベント以外の時間

イベント以外の時間にはチャイナタウンで美味しい角煮ライスに舌鼓を打ったり、会場近くにあったサンフランシスコ現代美術館に行ったり、ネットワーキングイベントで出会ったエンジニアと休日に埠頭でアシカを見たり、短い時間ながらとても楽しめました。

チャイナタウンで食べた角煮ライス 埠頭のドックで日光浴をするアシカたち

さいごに

ゆるい雰囲気のスタートで最初はどうなるものかと思いましたが、最終的にはとてもいいイベントとなり、参加して良かったなと思っています。 何よりも、世界中のエンジニアとの出会いが刺激的で、このイベントでもらったエナジーを社内でも伝播できるように邁進したいと思わせてくれるイベントでした。 サンフランシスコという街も、とてもユニークで楽しかったり戸惑うこともあったりしましたが、これを書いている飛行機の中で、来られて良かったなと思っています。

Last but not least, こんなに貴重な機会をくださったBelongに感謝...! これを読んで、Belongに興味をお持ちいただけたら、ぜひ採用ページに立ち寄っていただけると幸いです!

PS: サンフランシスコはAI系の広告ばかりで、街の特徴がよく出ていて面白かったです。

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