開発生産性カンファレンス2025 はじめてのブース出展レポート - Belong Quiz Challenge を通じた技術者コミュニティとの交流

2025-07-09

はじめに

Belong は Findy 様が主催する開発生産性カンファレンス 2025において Gold スポンサーとして協賛し、ブース出展をしました。
多くの方にご参加いただき、誠にありがとうございました。
そこで特に好評だったのは弊社が販売する中古スマートフォンが当選するチャンスがあるクイズイベント「Belong Quiz Challenge」でした。

実はこのようなイベントへのブース出展は私たちにとって初めての試みで、手探りな部分も多くありました。
当日になって見落としていた観点や新たな気づきもあり、運営面では改善点も見えてきました。
それでも、参加者の皆様から「ちょっと考える内容だったけど勉強になった」「面白かった」という声をいただき、楽しんでいただけたようで本当に嬉しい限りです。
多くの方に喜んでもらいたいという一心で企画・運営したイベントだったので、そのような反応をいただけて心から安心しています。

ここではブースの様子やクイズの内容、参加者の傾向などを振り返り、今後のイベントに活かすためのレポートをまとめます。

ブース出展の概要と設営

開発生産性カンファレンス 2025 は、2025 年 7 月 3 日と 2025 年 7 月 4 日に東京の JP タワーホール&カンファレンスで開催されました。
Belong は Gold スポンサーとして協賛し、ブース出展を行いました。
はじめにで触れたように実はこのようなイベントにスポンサードし、ブースを出展するのは初めての試みでした。

初めてということもあって、ブースの設営は波乱に満ちていました。
何と、ブースの壁に凹凸があることが当日になって発覚しました。
設営の際にその場で余っていた発泡スチロールを切り出してパネルと壁の隙間を埋めて乗り越えました。
そのようなトラブルがありつつも、ブースの設営は無事に完了し、参加者の皆様をお迎えする準備が整いました。

ブースの正面写真

上記のブース写真は Findy 様が運用されている開発生産性 Conference/Developer Productivity Engineering という X(旧 Twitter)アカウントからお借りしました。

ブースでは Belong のエンジニアが常駐し、参加者の皆様と直接対話をしながら、Belong の事業や技術文化についてお話ししました。
また、ブースの目玉として「Belong Quiz Challenge」を開催しました。
皆さんの真剣な表情でクイズに取り組む姿や、正解したときの笑顔が印象的でした。
喜んでもらいたいという一心で企画したイベントだったので、参加者の皆様に楽しんでいただけたことが何より嬉しかったです。
さて次からは「Belong Quiz Challenge」の詳細な内容と結果について振り返ります。

Belong Quiz Challenge の結果

クイズイベント「Belong Quiz Challenge」は、参加者の皆様に楽しんでいただきながら Belong の技術文化を知ってもらうことを目的に企画しました。
さらに豪華賞品として Belong が販売する中古スマートフォンというインパクトのある豪華賞品を用意することで事業への関心を高める狙いもありました。
そのような背景のもと、Go、Frontend、Data Platform、Generative AI、Platform & DevOps、SmartPhone という 6 つのカテゴリのクイズを用意しました。

全体の参加状況と傾向

「Belong Quiz Challenge」には実におよそ 200 名の方にご参加いただきました。
参加者の皆様、ありがとうございました!
クイズの平均正解数は約 2.99 問と、ほぼぴったり 3 問正解でした。
5 問中 3 問正解が賞品の抽選対象となるため、平均正解数が 3 問だったというのはクイズの難易度設定がちょっと高かったと反省しております。
私たちとしては参加いただいた皆さんに中古スマートフォンの当選チャンスをお渡ししたいということで用意していましたので、平均は 3.5 問正解くらいがよかったのかなと思います。
クイズの作成者にはせっかくなのでエンジニアが楽しめるようにそれなりに真剣に作るようにお願いしていましたが、結果的に賞品のことを忘れてしまっていました...フィードバックしておきます。(ちなみに 3 問以上正解の参加者の割合は 60% という結果となりました。75% 程度を目指したかったですね。)
次から各カテゴリごとの詳細な結果を振り返ります。
狙い目の優しいカテゴリ、逆に難易度が高かったカテゴリなど、参加人数やクイズの傾向を分析します。

Go

Belong ではプロダクトのバックエンドに Go 言語を最も多く使用していることもあり、Go カテゴリを用意しました。
Go カテゴリには 19 名の方が参加されました。
Go カテゴリの得点分布は次のとおりです。

Go のクイズの得点分布

平均は 2.25 問正解で、最高正答数は 5 問でした。
ですが、実はこれには裏話があります。
この 5 問正解のデータ、恥ずかしながら動作確認のためのテストデータがそのまま残ってしまっていました。
つまり実質的な参加者の最高得点は 3 問ということになり、Go カテゴリは難関カテゴリの一つであったことがわかります。
そんな難しいカテゴリの中でも、特に正答率が低かったのは interface についての問題で、次の通りです。

interface について説明している下記のうち、正しいものを全て選択してください

1. `interface{}` は全ての型を代入することができ、`any``interface{}` の type alias である
2. type interface にはその interface が持つべきメソッドのみが定義される
3. interface の実装は、特定の型に必要なメソッドを実装するか、implements キーワードを使用して明示する
4. interface には多くのメソッドを持たせている方が利便性が高いため、可能な限りメソッド定義を増やした方が良い

正解は 1 番のみを選ぶことでした。
「すべてを選べ」の問題なのに正解は 1 つだけを選ぶというのは少し意地悪でしたね。
次回はもう少し素直な問題にしてほしいとフィードバックをしておきます。
一方で、難しいがゆえに「勉強になった」「面白かった」という声も多くいただいております。
エンジニアの方々はやはり難しい問題に対しても挑戦したいという意欲が高いのかなと思いました。
もし次回があれば、皆様の声にお答えしてもっと癖のある問題を用意するというのも面白いかもしれません。

Frontend

Belong のプロダクトではフロントエンドは TypeScript と React を使用していることもあり、Frontend カテゴリの中身は TypeScript と React に関する問題で構成しました。
参加者としては 55 名の方が参加されました。
Frontend カテゴリの得点分布は次の通りです。

Frontend のクイズの得点分布

平均は 2.62 問正解で、最高正答数は 5 問でした。
Frontend も難易度の高い、狙い目ではない問題カテゴリでした。
他カテゴリと異なり、「すべてを選べ」のような意地悪な問題がないのにこの結果となってしまいました。
約 200 名のうち 55 名の参加ということで現地でも難しいという声が多く聞かれました。
難しいと同時に「面白い」との声も多く、勉強になったという声も多くいただきました。
ちなみに Frontend カテゴリの担当者は当記事を書いている私です。
難易度調整を間違えて申し訳ありません。
ついつい趣味の問題を入れすぎてしまいました。

ところで私のお気に入りの問題は次です。

React 19(またはそれに準ずるモダンなバージョン)の TypeScript 型定義における useState フックの関数シグネチャは次のようになっています。

function useState<S>(initialState: S | (() => S)): [S, Dispatch<SetStateAction<S>>];

このシグネチャに含まれる SetStateAction<S> は、useState が返す setState 関数の引数の型を表しています。では、この SetStateAction<S> 型は、正確には次のうちどのように定義されていますか?

A. `type SetStateAction<S> = ((prevState: S) => S);`
B. `type SetStateAction<S> = S;`
C. `type SetStateAction<S> = S | ((prevState: S) => S);`
D. `type SetStateAction<S> = S | (() => S);`

これは意図して難易度を上げた問題で、正解は C です。
私はコードを書く際は、利用しているライブラリの型定義を読むのが好きで、それもあって React から持ってきました。
実はこの問題はしっかりと問題文を読むと setState の引数の型定義を聞いていることが予想でき、React を使っている人ならばチャンスのある問題でした。
せっかくなので Belong での技術的な文化を知ってもらうために、お遊び要素を差し込みました。

Data Platform

Belong ではデータ基盤に関する技術も重要視しており、Data Platform カテゴリを用意しました。
会場でもお話しましたが中古スマホの年間の取り扱い台数は数百万台に上り、データ基盤の重要性は非常に高いです。
Data Platform カテゴリには 15 名の方が参加されました。
Data Platform カテゴリの得点分布は次の通りです。

Data Platform のクイズの得点分布

なんと平均は 1.4 問正解で、最高正答数は 3 問でした。
Belong Quiz Challenge 最凶のカテゴリとなりました。
会場でこちらを選んだ方にはお詫び申し上げます。
実はこのクイズは最初に作成したクイズで、難易度調整を間違えてしまったようです。
「すべてを選べ」のような意地悪な問題が 5 問中 4 問を占める難しさで、参加者の皆様にはご迷惑をおかけしました。
クイズは複数カテゴリ回答しても良いという設定にしておいて本当によかったと思いました。
そのような最凶のカテゴリで一番難しかったのは次の問題です。

BigQuery における dbt の incremental strategy においてデータの削除が行われ得るものを全て選んでください

1. `append`
2. `merge`
3. `delete+insert`
4. `insert_overwrite`
5. `microbatch`

正解は 3、4、5 番を全て選ぶことでした。
正解者はわずか 1 名でした。
この問題は、BigQuery と dbt の知識が必要な上に、削除が行われる可能性のある戦略を選ぶという難易度の高い問題でした。
実は弊社ブログ記事の「BigQuery で使える dbt incremental strategy 完全ガイド」に答えがあると担当者が言っていました。
「Belong を知らない方に、クイズに答えていただいて Blog を読んでいただくという流れではないのですか?」という疑問を担当者に皆様の代わりにぶつけておきました。

Generative AI

Belong では生成 AI 技術の活用にも 2022 年 11 月と早めに取り組んでおり、生成 AI カテゴリを用意しました。
Generative AI カテゴリには 36 名の方が参加されました。
Generative AI カテゴリの得点分布は次の通りです。

Generative AI のクイズの得点分布

平均は 3.28 問正解で、最高正答数は 5 問でした。
3 問以上正解の方も多く、これまで紹介してきたカテゴリの中では一番正答率が高い結果となりました。
まさにちょうどいい難易度だったのではないかと思います。
やっと Belong Quiz Challenge の狙い目のカテゴリが出てきました。
このカテゴリは弊社 CTO が担当しました。
私としては取り上げたい 1 問は次の問題です。

Transformer モデルを提案した論文は?

1. Attention Please!
2. Love Is All You Need
3. Attention Is All You Need
4. Adversarial Is All You Need

正解は 3 の Attention Is All You Need です。
選択肢にあの名曲「Love Is All You Need」が入っているのが遊び心がありますね。
弊社 CTO は眼光が鋭く、真面目な印象を持たれがちですが、実はユーモアもあります。
生成 AI に関する導入にも積極的で、理解があると思っております。

Platform & DevOps

Belong ではプロダクト開発者が伸び伸びと開発ができるように、SRE(Site Reliability Engineering)チームが中心となって Platform & DevOps の文化を醸成しています。
そのため Platform & DevOps カテゴリを用意しました。
Platform & DevOps カテゴリには 57 名の方が参加されました。
参加人数としては一番多いカテゴリとなりました。
Platform & DevOps カテゴリの得点分布は次の通りです。

Platform & DevOps のクイズの得点分布

平均は 4.47 問正解で、最高正答数は 5 問でした。
Belong Quiz Challenge で最も正答率が高く、まさに狙い目のカテゴリはこれでした!
開発生産性カンファレンスということで、開発生産性に結びつきのある Platform & DevOps カテゴリは人気が高かったようです。
しかも狙い目のカテゴリということで豪華賞品の抽選チャンスを得られた方も多かったのではないかと思います。
イベント運用者としては抽選のチャンスを広く提供できたことで安心しました。
しかしクイズ作問担当者としてはずるいという気持ちもあります。

どれも高得点ではありましたが、その中で正答率が低かったのは次の問題です。

CI/CD パイプラインにおける「継続的インテグレーション (Continuous Integration)」の主な目的として、最も適切に説明されているものはどれですか?

1. 開発されたソフトウェアを本番環境に自動的にデプロイするプロセスを構築すること
2. 開発者が作成したコードの変更を頻繁に共有リポジトリに統合し、自動テストを通じて早期に問題や競合を検出すること
3. インフラストラクチャのプロビジョニングと構成をコードによって自動化し、手動作業を排除すること
4. サービスのパフォーマンス、可用性、エラー率などを継続的に監視し、問題が発生した際にアラートを送信すること

正解は 2 の「開発者が作成したコードの変更を頻繁に共有リポジトリに統合し、自動テストを通じて早期に問題や競合を検出すること」でした。
CI/CD はセットで語られることが多いため、CD(継続的デリバリー)と混同された方もいらっしゃいました。
正答率はおよそ 80% であり、開発生産性に興味のある方が多いこともあってか、CI/CD の理解度は高かったようです。

SmartPhone

Belong は中古スマートフォンに関する事業を展開しており、SmartPhone カテゴリを用意しました。
このカテゴリは Belong のドメイン知識を知ってもらいたく、おまけ的な位置付けです。
もし全問正解者が出た場合はカジュアル面談をしましょうとブースでお話ししていました。
そのようなおまけ的な位置付けにも関わらず、SmartPhone カテゴリには 42 名の方が参加されました。
Belong の事業領域に興味を持っていただき、ありがとうございました。
SmartPhone カテゴリの得点分布は次の通りです。

SmartPhone のクイズの得点分布

平均は 2.12 問正解で、最高正答数は 5 問でした。
結果的には 2 番目に難しいカテゴリとなりました。
私としても Belong で 1 年働いたら全問正解できるようなまさにドメイン知識を問う問題にしてしまったので、この分布は納得のいくものでした。
先ほど「Belong を知らない方に、クイズに答えていただいてブログを読んでいただくという流れではないのですか?」という疑問を担当者にぶつけましたが、このカテゴリもまさに同じことをしていますね。
担当者は記事を書いている私でありまして、反省しております。
反省しておりますが、多くの方が果敢に挑戦していただき、感謝申し上げます。
そして 1 名だけですが全問正解の方がいらっしゃいました!
本当におめでとうございます!
さて最も難しかった問題は次の通りです。

株式会社 Belong は、ある世界的に有名なスマートフォンメーカーから、「認定整備済品」(メーカー基準で検査・整備された高品質な中古品)の日本国内における唯一の公式販売パートナーとして認められています。
そのスマートフォンメーカーとは、次のうちどこでしょうか?

1. Apple
2. SONY
3. Google
4. Samsung
5. SHARP

正解は 3 の Google です。
実は Belong は Google の認定整備済品の日本国内における唯一の公式販売パートナーです。
にこスマにて提供をしております。
もしよろしければ是非ご覧ください。
ちなみに推しポイントを挙げると、私は中古のスマートフォンはバッテリーの劣化が一番課題だと思っています。
というのもバッテリーの交換費用は高額であり、世に流通している中古スマートフォンはバッテリー未交換品がほとんどです。
その中で Google の認定整備済品はバッテリー交換を行っており、安心してご利用いただけます。
最近私も Google 認定整備済み品を購入しましたが、非常に満足しています。

まとめ

お暑い中、開発生産性カンファレンス 2025 のブース並びに、弊社 CTO の講演にご参加いただき、誠にありがとうございました。
また開発生産性カンファレンス 2025 を主催してくださった Findy 様、運営に携わってくださった皆様にもこの場を借りて感謝申し上げます。
Belong にとって初めてのブース出展は、手探りな部分も多くありましたが、参加者の皆様に楽しんでいただけたのではないかと皆様の声から感じております。
Belong はブースや弊社 CTO の講演でもお話しした通り、事業が過渡期にあり、ニューヨークに拠点を置くなど、まさに成長中の企業です。
Belong の技術文化や事業に少しでも興味を持っていただけたら、ぜひエンジニアリングチーム紹介ページをご確認いただき、カジュアル面談などお気軽にお声がけいただけると大変嬉しいです。