伊藤忠グループ独自の Google Cloud コミュニティ IGL の立ち上げ
伊藤忠グループに Google Cloud ユーザーグループ「IGL」が発足しました!
この度、伊藤忠グループ内に新しい Google Cloud のユーザーグループ 「IGL(ITOCHU group AI innovation lab powered by Google)」 が発足しました。
Google Cloud には、エンタープライズ企業向けの公式ユーザーコミュニティとして「Japan Google Cloud Usergroup for Enterprise(通称:Jagu'e'r)」という素晴らしいコミュニティが既に存在します。 外部コミュニティとの情報交換も有益ですが、グループ内だからこそ共有できる知見や、グループ特有の課題感に基づいた議論も重要です。
IGL は、まさに伊藤忠グループの各社・各部門の垣根を超え、Google Cloud、そして近年注目を集める生成 AI といったテクノロジーを、いかに日々の仕事やビジネスの生産性向上に繋げられるか、具体的な方法やナレッジを共有し、共に学ぶための場として立ち上がりました。
IGL が目指すのは、エンジニア"だけ"が集まる技術コミュニティではありません。 技術的な情報共有も行いますが、中心となるのはビジネスパーソンです。「自分の業務で生成 AI は使えるのだろうか?」「Google Cloud の何がすごいのか?」「データを活用したいが、何から始めればいいのか?」 そうした疑問や課題を抱える方々が、気軽に集い、触れ合い、ヒントを得られる場所にしたいと考えています。
また、IGL には「In Game Leader」という裏テーマも込められています。eSports においてチームを勝利に導く司令塔、In Game Leader のように、 このコミュニティに参加する伊藤忠グループの各社が、Google Cloud や生成 AI を活用してビジネスの現場でイノベーションを牽引するリーダーとなることを目指しています。
伊藤忠グループの中でも、CTO を擁し、内製開発を中心に事業を展開している私たち Belong は少し特殊な立ち位置にあります。 また、私が Google での勤務経験を持つこともあり、Belong では Google Workspace から Google Cloud Platform 1 まで Google Cloud をフル活用しています。 このような企業はグループ内でも稀有な存在であるため、IGL の立ち上げから運営に関わらせていただいています。
第一回イベントの様子
2025年06月11日、記念すべき IGL 初回イベントが開催されました。 Google 様のご厚意により、渋谷ストリームのミーティングルームをお借りし、伊藤忠商事、ユニコ、GI Cloud、ファミリーマートなどから30名を超える社員の方々にご参加いただきました。
イベントでは、まず IGL 発起人である伊藤忠繊維カンパニー 繊維デジタル戦略室の丸山様からお話をいただきました。 丸山様は、繊維カンパニーの担当企業様内で積極的に Google Cloud や Gemini の利用を推進されています。 Google Cloud Console を用いた Gemini の活用 Tips や、データドリブン経営を促進するための BigQuery を活用したデータ基盤構築事例をご紹介いただき、参加者の皆様は日々の業務での生成 AI 活用に繋がる知識を得られたことと思います。
続いて私からは、自社開発企業の CTO として、内製・外注を問わずエンジニアと協働する際に、ビジネスサイドが何を期待し、どのように関わるとプロジェクトが円滑に進むのか、その視点についてお話しさせていただきました。 また、Belong が早期から生成 AI を社内で活用している事例として、具体的な利用ユースケースの紹介や、業務での活用方法、社内への利用促進策についても触れました。 特に、Gemini の優れたケイパビリティである「大きい(広いコンテキストウィンドウ)・早い(高速なレスポンス)・安い(低コスト)」という 3 つの特長を挙げ、これらの優位性がビジネスシーンでの AI 活用を加速させる可能性について解説しました。
さらに、企業のユニフォーム製作を手掛ける株式会社ユニコ様からは、伝統的なビジネスでありながら、どのようにデジタル化を進めてきたのか、そしてこれからテクノロジーをどのように活用してビジネスを変革していくのか、現場のリアルな視点からお話しいただきました。
最後に、Google Cloud の導入・開発を専門とする GI Cloud 様から、開発会社の視点とユーザー目線を併せ持ち、Agentspace(Google Cloud 上でエージェントを構築するためのフレームワーク)の可能性についてご紹介いただきました。 技術的な側面だけでなく、それがユーザーのビジネスにどのように貢献しうるのかという視点での解説は、非エンジニアの参加者にとっても理解しやすかったと思います。
セッション後には Google のカフェスペースで懇親会が行われ、活発な名刺交換や交流が生まれていました。
今回のイベントが、「なるほど、こういう使い方ができるのか!」「自分の部署でも試してみようかな」といった気づきに繋がり、 Google のサービスの活用ヒントや、前向きな意欲に繋がる場になっていたなら幸いです。
これからの IGL に期待すること
IGL では今後も、四半期に一度程度のペースでコミュニティイベントを開催していく予定です。 Google 様のご協力により、引き続き Google オフィスという素晴らしい環境をお借りできることは、参加者のモチベーション向上に繋がるでしょう。
もちろん、最終的にはこれらの活動が伊藤忠グループ全体のビジネス発展に貢献することを期待しています。 しかし、それ以上に、まずは生成 AI やクラウドテクノロジーがいかに身近な存在であるか、そして日々の業務で「こんなこともできるんだ!」という面白さを体感していただくことが重要だと考えています。 その結果、参加者一人ひとりが「自分ならこう工夫してみよう」「もっと深く知りたい」という内発的な動機付けを見つけ、能動的に新しいことに挑戦したり、詳しい人に相談したりするきっかけを作れたら嬉しいです。
具体的なテクノロジーの「how」(使い方や活用法)であったり、「なるほど!」と膝を打つような、明日からすぐに使える情報共有であったり、 そういった発見と学びが生まれる「場」であり続けることが IGL の願いです。
IGL の活動を通じて、伊藤忠グループ内の多くのビジネスパーソンが、デジタルテクノロジーをより自由に、そして効果的に使いこなし、それぞれの業務でイノベーションを巻き起こしていくことを楽しみにしています。
最後に、Google Cloud を使い倒したい、主体的に学び、得た知識を広げていきたいという方はぜひ エンジニアリングチーム紹介ページを確認していただき、カジュアル面談等お声がけいただけたら嬉しく思います。
Footnotes
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最近は Google Cloud という名称が一般的ですが、便宜上 GCP と表記したり、 Platform を付けることがあります。 ↩