意思決定型ミーティングの進めかた
ミーティングは仕事の 4 割
Belong Inc.で DataPlatform チームや社内の在庫管理システム開発チームのマネジメントを担当している eno です。
前回は課題の特定方法について書きましたが、関係者間で課題認識を統一したり、課題解決のアプローチについて合意形成したりする過程で必ず必要になるのがミーティングです。 ミーティングはすべての労働時間において約 4 割以上を占めるというデータもあり1、ミーティングの進め方が仕事のパフォーマンスを決める部分が大きいです。Belong ではミーティングのルールを決めており、「何を議論したいのかを事前に整理し共有すること」などが定められています。
今回はこの「何を議論したいのかを事前に整理」し、ミーティングをうまく進める方法について私見を述べてみます。
意思決定型のミーティング
ミーティングはその性質によって、おおよそ以下の 5 つくらいに分けられます。タイプによって会議の進め方や準備が異なるのですが、今回は合意形成して結論を出すことを目的とする「意思決定型」を念頭においてミーティングの進め方について書きます。 意思決定型のミーティングは様々な部署や職種のメンバーが参加者になることが多く、限られた時間内に結論を出すために、最も事前準備が重要なタイプだと考えています。ミーティングの前に必ずその目的と論点、そして自身の意見を言語化してからミーティングにのぞみます。
ブレインストーミング型 | 企画会議などアイデア出しするためのミーティング。 大まかにテーマは設定するが参加者の自由な発想を促すため、ミーティングの段取りは細かく決めすぎない |
意思決定型 | 経営会議など。 設定したテーマについて参加者間で議論し結論を出すことを目的としたミーティング |
レクチャー型 | 研修など。 主催者からの片方向の情報伝達がメインのミーティング |
情報共有型 | 営業会議や定例会議など。 定められた内容について状況を伝え参加者間で確認するのがメイン |
コミュニケーション型 | 1on1 など。 相互理解を促したり信頼関係を醸成するためのもの |
目的の設定
まずミーティングの目的を設定します。
「会議の目的を明確にするべき」というのは普通に仕事していれば誰でも理解しているとは思いますが、この「目的」という言葉の定義は曖昧になりがちです。 私は「このミーティングが終わったらどういう状態になってほしいか」をミーティングの目的として設定することを意識しています。可能な限り具体的に記述し、達成水準を明確化するのが望ましいです。
また設定した目的について、当然と思われてもその背景について端的に説明し、参加者間で議論するにあたっての前提を揃えます。
論点の整理
ミーティングの目的を明確にしたら、次にその目的の達成のため、参加者間で議論をして答えを出さないといけないポイントを整理します。
私はこのポイントを「論点」と呼んでいます。意思決定型のミーティングの準備のうち、個人的にはここに最も時間をかけます。以下を意識して論点を構成します。
- それぞれの論点に答えを出せば、会議の目的が自ずと達成できるものになっているか
- 各論点は参加者がすぐイメージできるような簡潔な表現になっているか
なお論点が多すぎるとミーティングの参加者間での認識統一をはかるのが難しくなってくるので、個人的には論点は 3 つくらいに、多くても 5 つにはまとめたい派です。
自分の意見を準備する
ミーティングの目的とそれに応じた論点を整理したら、現時点で自分が最も正しいと考える結論を持って会議にのぞみます。「仮説」とか「たたき台」といわれるものです。
個人的には以下 2 つの理由から、自身の意見を構築することをミーティング前の準備として必須のステップにしています。
- 自身の意見を持てないのは、そもそもミーティングして合意形成すべき事柄について自身が理解していないと考えられるため。この場合ミーティングを開催するのは時期尚早。
- 正解であろうがなかろうが、誰かが考えて出した具体的な意見をもとに議論をしたほうが、結論に至るまでのスピードが圧倒的にはやいため。
おわりに
以上から、意思決定型ミーティングは以下のステップで進めるようにしています。
- ミーティングの目的を明確に設定する
- 目的の背景を整理する
- ミーティングの目的を達成するために話さなければいけない論点を整理する
- 各論点について情報を集め、自身の意見を構築する
- ミーティングの目的・論点に応じて出席者を選定する
- ミーティングの日程を設定し、事前に会議資料を共有する
- ミーティング当日は、まず目的とその背景、論点について話し、出席者間での前提を揃える
- 各論点について自身の意見を出してから議論し、答えを出す
- 各論点で出た答えを踏まえて、ミーティングの結論を出す
- 結論に応じたアクションアイテムを整理する
Belong Engineering では "正しいものを正しく作る" というスローガンを掲げています。関係者間で合意形成し、ビジネスにとって価値のあるコードを正しいアプローチで実装するため、ミーティングは必須のプロセスです。
ビジネスにとって価値のあるコードを書くことを大事にし、様々な部署・職種のメンバーとのコミュニケーションを厭わないマインドの方がいらっしゃったら、是非カジュアル面談でお会いしましょう!
Footnotes
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参考:ログミー Biz「1 つでも該当すると、「会議の成功率」は 5 分の 1 以下 AI が導き出した、会議の成功を阻む 5 要素」 ↩