Cloud Next24 参加記 ~渡航編~
はじめに
株式会社 Belong でバックエンドエンジニアをしている ke-no です。
先日、弊社 CTO の ttyfky よりカンファレンス渡航補助プログラムはじめましたという記事が公開されました。
このカンファレンス渡航補助プログラムの第 1 弾渡航メンバーとして、ラスベガスで開催された Cloud Next'24 に現地参加してきましたので、その記録として本記事を公開します。
今回は実際のカンファレンス期間よりも早めに現地に前泊しておき、前泊分で観光やお土産購入などした後で Cloud Next'24 に参加し、帰国するというスケジュール感でした。
全部で 1 週間ほどの内容になるため、下記の 2 記事に分けようと考えています。
本記事では渡航編について扱います。
- 渡航編: 海外旅行未経験のエンジニアがラスベガスに乗り込むまでの話
- Next'24 編: Cloud Next'24 にラスベガスで現地参加してきた話
カンファレンスには参加してみたいけど海外なんて行ったことない...とか
そもそも海外行く準備って?みたいな方の参考になれば幸いです。
前提として
まずはこの記事を書いている人の前提情報です。
- 旅行経験
- 修学旅行で京都・沖縄に行ったのみ
- 個人では海外旅行はおろか国内ですら旅行したことがない(当然パスポートも無し)
- 基本的に出社以外で家から出ないのでスーツケースも持っていない
- 英語力
- GitHub で TOEIC スコアを公開していますが大体 600 点前後
- 職業柄プログラムを書くので読む書くはそれなりなものの、会話としての話す聞くは自信なし
- やる気
- すごくある
上記を踏まえて、初の海外渡航でどうなったか・どうするべきだったかを記録として残せればと思います。
渡航補助プログラムの開始から渡航準備まで
話のきっかけは 2024 年始、CTO から聞かれた「ke-no さん海外行きたい?」という質問からでした。
今思うとその時点で構想として渡航補助プログラムの開始が予定されており、それを踏まえての質問だったことは自明でした。
私はその辺り特に把握していなかったので率直に「行きたいです」と回答しましたが、その後あっという間に渡航補助プログラムが始まり、パスポートやチケットの準備が必要になりました。
パスポート準備と航空券等の関係で CTO(英語ができる)とはラスベガス現地での集合という形になり、若干の不安はありましたが何とかなるだろうということで話は進んでいきました。
今回、渡航するにあたって準備したものと雑記は下記の通りです。
- パスポート
- 東京都は申請から大体 1 週間で発行が行えました。
- 戸籍謄本などの書類が必要になるため、本籍地が遠方の方は注意が必要です。
- ESTA 申請
- 2024 年現在、米国に入国する際には ESTA の申請が必要です。
- 謎の仲介サイトで申請してしまうと余分にお金を取られてしまうので要注意です。
- Cloud Next'24 参加申請
- 早期割引特典の Early-bird を使用し、概ね半額での参加となりました。
- 登録後、メールに案内が届いたりカンファレンスのアジェンダ選択などがあるので事前に済ませておきましょう。
- 今回は現地参加する日本の方向けのイベントもあったのでそちらにも参加することにしました。
- 航空券購入
- ハワイアン航空という航空会社を使用し、成田->ホノルル->ラスベガスといった形で現地に向かいました。
- 海外渡航では通信ができないなどの事故も発生し得るため、航空券は印刷しておくことを強く勧めます。
- 通信手段
- 日本で使用しているものが海外ローミングに対応していればそのまま利用できますが、高額になる場合もあるため事前によく確認しましょう。
- 現地や空港で渡航先向けの SIM を購入するのもアリです。
- Belong では Wifi ルータの貸し出しを行なってくれました。
- クレジットカード
- 基本的に現地での支払いはクレジットカードの方が便利です。
- 国やお店によっては持っているカードが使えない場合もあるので、ある程度対応していそうなブランドのものを作っておきましょう。
- ゴールドカードは必須ではありませんが、持っていると空港ラウンジを利用できるため待ち時間を優雅に過ごせます。
- 現金($)
- 空港で外貨両替する場合、少し割高の手数料がかかるため、可能であれば事前にどこかで両替しておくとお得な気分です。
- カンファレンス参加の出張であれば数万円分を両替しておけば十分です。
- その他渡航に向けた物品
- スーツケース
- 1 週間前後使用できる容量のもので探した結果、これを購入しました。
- 邪魔にならないキーホルダーなど受け取り時にわかりやすい目印やスーツケースカバーがあるとピックアップがしやすいです。
- 海外変換プラグ・各種充電ケーブル類
- 結果として今回は使用しませんでしたが、念の為持っておいた方が無難です。
- モバイルバッテリー
- スマホは生命線です。持ち運びのできるものであるとグッドだと思います。
- セーフティーポーチまたはショルダーバッグ
- パスポートや現金などを携帯する際に便利です。
- シャンプーなどの入浴用品と化粧品類
- 液体の持ち込み制限があるので事前に許可される範囲・容器での事前準備が必要です。
- 100 円ショップで 50/100 ml 容器などが売っているので、詰め替えて透明ポーチにまとめて持って行きました。
- 日数分の着替え
- 鼻セレブ
- ネックピロー
- スーツケース
カンファレンスだから必要だったというものは参加申請くらいで、あとは概ね普通の海外旅行の持ち物と思います。
当然ですが私は普通の海外旅行を知らないので、ちゃんと調べながら準備しました。
荷物の大半が着替えになる関係で、遅くとも 1 週間前に準備を始めれば十分間に合うのではないかと思いますが、余裕を持った準備をしておくとより安心です。
1 点注意すべきは常用薬のある方で、それが市販薬か処方薬かで扱いや申告が変わります。
私はたまに処方された睡眠導入剤を飲んでいるのですが、今回は初海外でかつコミュニケーションの懸念もあるということで念のため持っていきませんでした。
どうしても必要な方は事前に調べた上で、かかりつけ医などに相談するのがベストだと思います。
ここまで準備できた段階で残すは渡航当日。
これだけ確認したのであればきっと何も問題は起きないでしょう...
渡航当日
そして迎えた渡航当日。
まずはモバイルバッテリーを忘れました。ナンテコッタ
幸いその他の忘れ物はなさそうだったので大した問題にはなりませんでしたが、慣れない大荷物では忘れ物は起きてしまうものかと謎に悟ったことを覚えています。
念の為空港に早めに着くスケジュールで動いており、チェックイン開始の 3 時間前には成田空港に着いていたので、モバイルバッテリーの購入や空港内散策などをした上でも十分な時間がありました。
程なくして同じエンジニアリング部門で今回の同行者の Ryu さんと合流。チェックイン開始からすぐ列に並びましたが、かなりの大行列だったので早めに並んでおいて良かったです。
その後無事チェックインを済ませ、時間になったタイミングで飛行機に搭乗。機内食でアメリカ版のコカコーラやロコモコ(米!)が出て、しかも美味しかったのでびっくりしました。
私は食べる速度が遅い人種なのですが、窓際に座っていた小学生くらいの女の子に食べる速度で負けたのはさすがに悲しかったです。
忘れ物はあったもののここまで順風満帆...この調子ならホノルルでの乗り継ぎも大丈夫だろう、と思っていましたがここでハプニングが起きます。
ある程度時間が経ってから気づいたんですが、どうやら飛行機が 40 分ほど遅れている様子。
元々乗り継ぎの時間は 2 時間と結構ギリギリだった上にスルーバゲージではないので荷物受け取りも必要な旅程でした。その上での 40 分遅れは次の便にちゃんと乗れるのかという不安がかなりありました。
不安は見事に的中し、乗り継ぎでは数々のイベントが発生しました。具体的には以下の通りです。
- 予定通り(?)40 分遅れでホノルルに到着するも中々飛行機から降りられずさらにタイムロス
- 入国審査では「入国目的」「仕事」「何か申告の必要なものは持っているか」を聞かれたもののなんとかクリア
- Sightseeing で伝えましたが途中からカンファレンス参加ですか?と聞かれて、カンファレンスあること知ってるんかいと思いました
- 一方その頃同行者 Ryu さんは質問責めにあっていた様子(カンファレンス参加証明出してとか聞かれていたらしい)
- その後荷物受け取りから税関は問題なくクリアしたものの、乗り継ぎのための入り口がどれか分からず四苦八苦
- 結果サポート窓口の人の「Come on!」に小走りでついていき荷物預け入れに成功
- 入国審査・荷物の受け取り〜預け入れ・税関の三段クルーンを乗り越えた時点で既に搭乗締切まで 10 分
- 税関から搭乗口まで全力猛ダッシュ(10 分弱)
- 恐らく同じ便に乗ると思われる日本人男性も一緒に猛ダッシュ!
- しかし日本人男性走っている途中でスマホなどの持ち物を大量に落としまくり離脱!
- なんとか時間丁度くらいに搭乗口に着いたもののまだ受付開始していないという謎の状況
- 一時離脱した日本人男性もここで合流(汗だく)
- その後少しして受付開始したのでとりあえず受付した上で搭乗し一安心...
中々壮絶な 2 時間弱でしたが、何とか予定の便には乗れたという達成感がありました。
ここでの機内食はチーズたっぷりのパンでアメリカンを感じました。(美味しかった)
それ以外はフライト 2 回目ということもあり特に支障もなく、飛行機はラスベガスのハリー・リード国際空港へ...
ラスベガス到着から前泊での観光
出発時点で 40 分以上遅れていた飛行機は何故か当初の予定時刻よりも早く到着。
空港内では「Welcome to LASVEGAS」の文字とスロットマシンがお出迎えをしてくれました。
到着したターミナルの関係で一度トラムに乗り荷物受け取り場まで移動。その後同じくらいに到着した CTO とも無事合流でき、一安心したことを覚えています。
現地時間で 18 時を過ぎ、辺りは暗くなっていましたがラスベガスの街は常にギラギラと輝いていました。多分電気代とか知らないんだと思います。
ひとまず Belong 一行はまず最初のホテルである MGM グランドに向かいます。
MGM グランドは緑と黒の縞々な外観をしているのですが、タクシーから terminal.app みたいだなと思いながら見ていました。
※ Wikipedia より
ホテル到着後は CTO の華麗なイングリッシュにより無事チェックインが完了。荷物を置いてカジノ散策と夜ご飯を探します。
到着して驚いたのですが、お店もカジノも劇場も基本的には全てがホテル敷地内に用意されており、日本との違いを改めて感じました。各所への案内はあるものの正直広すぎて迷いました。
ぐるっとカジノを見て回った後で、ホテル内の TAP Sports Bar で夜ご飯を食べました。
その後は自由行動ということで各々カジノを巡る形で 1 日を終えました。(なお私はこの時点で $50 強負けた上、なぜか年齢確認をされました)
予約時期などの関係もあり、結果的にホテルは 3 人 1 部屋でクイーンベッドが 2 つの部屋になりました。
サイドベッドの追加を期待していましたが、繁忙期ということでサイドベッドが出払ってしまっていたため、結局 3 人に対してベッドは 2 つしかないということになってしまいました。
慎重な協議の結果、CTO がベッド 1 つを使い、私と Ryu さんが共同でもう 1 つを分ける形で泊まりましたが、私は掛け布団戦争に敗北し少し寒い就寝でした。
なお、このホテルでは水 1 本が $6 とバグった価格になっており、物価高騰+円の弱さを身をもって体験しました。
(余談ですが、翌日 CVS/Pharmacy というお店で同じ水が $2.6 でした。この差は一体...)
翌朝はホテル内のビュッフェで優雅な朝食を過ごしましたが、ドリンクバーの出る勢いが強過ぎてグラスが吹き飛ぶという事故が起きました。
この日はひたすらに観光をしました。有名どころでは Sphere、ベラージオの噴水、シルク・ドゥ・ソレイユの KA など、存分にラスベガスを堪能できた 1 日でした。
特に KA は舞台装置のギミックと、遠くから観ていても分かりやすい構成と演出で、久々の観劇でしたがとても印象に残っています。
現地日時で 2024/04/08(月)あたりからはいよいよ本題の Cloud Next'24 色が強くなってきます。
まずは MGM グランドからホテル兼カンファレンス会場のマンダレイ・ベイに移動します。
前泊とはいえ月曜日なので通常業務です。レビューやら Pull Request やらを対応した段階で時刻もほどよく夕方前。
その後はホテル敷地内のシャークリーフ水族館に行き、Cloud Next'24 の会場下見などを行い、夜に現地参加の日本の方向けに Welcome Reception に参加しました。
私も何組か他社のエンジニアや営業の方と交流をさせていただきましたが、やはり皆さん Gen AI をメインで見に来たとのことで、かなりの注目が集まっているなという印象でした。
実際に Next'24 は Gen AI の話が盛り盛りの 3 日間でした。
こちらも近日中に記事を公開しますので、ぜひ見ていただけると嬉しいです。
渡航振り返り
ひたすらに書き殴った文章ですが、初海外での慌ただしい様子が少しでも伝えれていれば幸いです。
渡航を振り返って感じたことは下記の通りです。
- 何よりも英語ができないとしんどい
- 英会話と TOEIC はまた別とはよく言われますが、まさにその通りでした。ちょっと英語勉強したくらいでは到底厳しいと感じました。
- 現地の人の喋りは早いですし、人によっては聞き取りづらい場合もあります。英語ができないなりに何とか聞き取る・自分の意思を伝えるという折れない心が大切です。
- ハンバーガーやステーキなどの注文時に焼き加減を聞かれますが、「焼き加減は?」とは聞かれません。「How do you like it?」などコンテキストは織り込んだ上でお決まりのフレーズで聞かれるので、ある程度の慣れも必要です。
- 正直伝えたいことが伝えられないという状況はかなり歯痒い思いがありました。次が会社としてなのかプライベートなのかは分かりませんが、リベンジはしたいです。
- 逆に周りに英語しかないので刺激になる
- 日本で英語を学ぶ場合はどうしても日本語の逃げ道がありがちですが、向こうには当然英語しかないですし、日本語は通じないので英語で何とか読んで何とか伝えるしかありません。
- 一方でハワイは日本人の多い観光地ということもあり日本語訳されている文が多く、空港スタッフも日本語が話せる人が多かったです。
- 世界を見る・経験するという意味で、人間的な人生観が広がったことをとても感じました。
- 飛行機は遅れます
- 今回はチケットの関係もあり仕方なかったですが、なるべく遅れても問題のない余裕のある旅程で渡航することを勧めます。
- この点で、今回の旅程がホノルル乗り継ぎで良かったなと思いました。上にも記述しましたが、ハワイではある程度日本語が通じるので多少困ったことがあっても問題になることは少ないです。
- 機内は寒いですし、暇です。観たい動画を事前にスマホにダウンロードしておくなど、通信ができない状況でできる暇つぶし手段を用意しましょう。
- できる範囲での備えをする
- 治安は悪くないですが、街中では観光客を引っ掛けてお金を取る人も見受けられました。
- 全てを疑えとまでは言わないですが、カバンはなるべく体から取りにくい物を使う、怪しい人はスルーするなどある程度の自衛は必要だなと思いました。
- カジノはほどほどに
- 私は結局 $150 ほど負けました。
色々と書きましたが、結果として私は今回現地でカンファレンスに参加できて良かったと思っています。
英語その他の課題は漠然と理解していましたが、実際の距離感を身をもって体感できたことが何よりの体験でした。
恐らく各々で捉え方や感じ方は違うと思いますが、ぜひ他の社員の方にもこういった機会の場を継続してほしいなと思います。
おわりに
本記事では海外未経験のエンジニアが、海外カンファレンスに参加するまでの諸々を記載しました。
海外カンファレンスに行ってみたいけど...みたいな方の参考になれば幸いです。
カンファレンス本編は近日中に公開しますので、こちらもよろしくお願いします。
Belong のエンジニアリングチームでは、一緒にサービスを成長させるエンジニアを募集しています。
Cloud Next'24 を観て Gen AI を活用したサービスの改善やアプリケーションの開発に興味を持った方も大歓迎です。
ぜひ エンジニアリングチーム紹介ページ をご覧いただき、ご応募いただけたら幸いです。